24のキーを調べよう!

メジャースケール(長音階)とマイナースケール(短音階)の仕組みがわかったところで、実技、つまり実際の練習の方法の解説に移りたいのですが、その前にもう一つ。 メジャースケールの項目でも述べたとおり、メジャーでもマイナーでもカラオケでキーを変えるように、キーを変えて自在に弾けるようになるのが大切で、それができたら後がとても楽です。 そして、そのキーとは全部で24パターンあります。加えて、キーは日本語では「調」と呼びます。 メジャースケールを構成する「型」とでもいいましょうか、文字通り鍵となるキーをメジャーキー(長調)とよび、 マイナースケールを構成する型となるキーをマイナーキー(短調)といいます。 長調が12、短調が12あって合計24です。 12というのは、1オクターブに含まれる音の数です。1オクターブを構成する12の音それぞれを始点とするキーを長短それぞれ作れるので24になるのです。 先に説明したメジャースケールのドレミファソラシド、またはナチュラルマイナースケールのラシドレミファソは、いずれもピアノの白鍵上のみで織りなすスケールです。これをカラオケでいうところの半音上げる、下げる、を実行すると、黒鍵が混ざって複雑になります。 白鍵黒鍵が混ざったキーを全24種類も覚えるのか、と思うと気の遠くなる話かもしれませんが、これもパターン、法則を知ることで近道ができます。 それではそこへたどりつくための第一歩です! 24のキーを自分で作ってみましょう。 以下にそのワークシートを用意しました。先の記事でメジャースケールでの全音・半音のパターン、マイナースケールでの全音・半音のパターンは紹介してあるので、それを参考にワークシートにスケールを書き込んでみてください。 【手順】 このリンクからPDFファイルを表示してプリントします(scale_worksheet.pdf)。 1〜2ページ目はメジャースケール、3〜4ページ目はハーモニックマイナースケール、5〜6ページ目はナチュラルマイナースケールです。それぞれスケールの始点の音にだけチェックが入れてあります。 写真には例として白鍵のみのスケールを書き込んでみました。あえて赤で色付けしましたが、鉛筆でチェックなど、印は自由です。これを参考に、全音、半音のパターンを使って、指定された音を始点にスケールに該当する鍵盤にチェックを入れてみましょう。追加ルールとなりますが、2オクターブ記入しましょう。 ドレミファソラシドレミファソラシド のように。次の項目と後の実技練習で役立ちます。 実際にチェックを入れたスケールをピアノで音出ししてみましょう。指1本ずつでもいいので、順番に音を出してメジャースケール・マイナースケールを上昇〜下降、つまりドレミファソラシド〜ドシラソファミレド〜と上から下から両方弾いて歌ってみてください。次の項目でスムーズに弾く練習方法を紹介します。 ワークシート中では黒鍵を支点としたキーも作る必要があります。黒鍵はシャープ(♯)かフラット(♭)のいずれかになりますが、現時点ではそれは気にしなくていいです。単純に全音・半音の法則にしたがってスケールを組み立ててみてください。それぞれの名称は後ほど解説します。 【タイムリミット】 初めて音楽理論に触れる人にとっては、結構なエネルギーを消費するチャレンジになると思います。あわてず、自分のペースで進めてください。集中力が続かない、という人は1日1キー、1日2キーなど小さいノルマを設定して、何日後に完成させるか計画を立てるのもいいでしょう。 【ヒント】 ドレミファソラシドがメジャースケールであるのに対して、マイナースケールはどこから始まるのでしょうか?このパターンを思い出せば結構時間短縮できるはずです!詳しくはマイナースケールの項をご覧ください。 【注意!】 この項目の目的は、全音と半音のパターンを理解することで、全てのキーを覚えることではありません!キーの覚え方は別に方法があるので、まずは全音・半音の並びを埋めてみてください。 答えは次の記事で! 分からないことがあったら、メールでご相談、もしくはコメントまでお寄せください。こちらの解説に不備があれば本文を訂正します。 【目次へもどる】
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24のキーの覚え方

各キーの名称 ワークシートへの書き込みはできたでしょうか? 答え合わせをする前に24のキーそれぞれに名前が付くので、そこから整理していきましょう。 英語の音名CDEFGABがそれぞれのキーにつきます。白鍵で始まるキーはそのままCメジャーキー、Cメジャースケールと呼ぶのですが、問題は黒鍵の場合。 黒鍵は♯(シャープ)なのか♭(フラット)なのか。 日本では小中学校で♯(シャープ)や♭(フラット)という言葉を習うでしょう。記憶からですが、リコーダーの穴を指で半分抑えると半音変わると習ったと思うので、多くの方はすでにご存知と仮定して進めます。 その♯か♭のいずれかがA〜Gの音名に付くわけですが、それはどうやって判定するでしょう?その法則をここで確認しておきます。 【ルール1】 ひとつのスケールにABCDEFGはひとつずつしか存在しない。 【ルール2】 メジャースケールで黒鍵から始まるものでは全ての黒鍵は♭(フラット)。 【ルール3】 白鍵で始まるメジャースケールで、オクターブの始まりの音(これをトニック:Tonicと呼びます)の半音下が黒鍵であれば、そのスケールの黒鍵はすべてシャープ。 半音下が白鍵であれば、そのスケールの黒鍵はすべてフラット(後者に該当するスケールは一つしかありません)。 【ルール4】 全てのマイナースケールは、メジャースケールの6番目の音を基点としているので、その♯もしくは♭を適用する。 これに従ってフラットもしくはシャープをつけていくと、全てのスケールの黒鍵に音名がつきます。ワークシートの「name」のところに音名を書き込んでいきましょう。これが各スケールの名称となります。参考までに、クラシック音楽の理論では、長調は大文字(ABCDEFG)、短調は小文字(abcdefg)で記入することが多く、こうすることで視覚的に分類できてわかりやすいです。 ワークシートの答え合わせ こちらのPDFファイルで全てのスケールを鍵盤上で視覚的に確認できるように表示しましたので照らし合わせてみてください。先述のキーの名称も記載しているので併せて確認できます。クラシック音楽の分野で理論を勉強するときは、メジャーをアルファベット大文字(ABCDEFG)、マイナーを小文字(abcdefg)で記す傾向があります。 可能であればこのPDFは印刷せずに画面の表示に留めることをお勧めします。このスケールとキーの資料を、自分で記入して作成することでより覚えられるからです。そしてそれはあなたの実績となり作品となります。 ジャズであれ他のジャンルであれ、音楽を演奏するにあたってシナリオともいえる楽譜を自作することは、既成のものを取り寄せるよりも確実に力となるはずです。今後この講座を終える頃には、弾きたいと思った曲についてはほとんど自作するようになるでしょう。そのための習慣は今から身につけておいていいと思います。 さらに、インターネット上の講座ではありますが、可能な限り手書きを推奨・実践していく方向で進めていきます。ワープロで作った資料は時間がたってもコンピューターがプリントした書体ですが、手書きは思い出として形に残り、足跡となります。個人的な経験ですが、子供の月謝袋に本人が書いた名前は、一年経って新しい月謝袋にまた名前を書いたときに時間の流れを感じさせてくれました。もしかしたらこのワークシートを再び手にとって確認する日が来るかもしれません。そのときにご自身の経験・努力が形として現れることでしょう。 話がそれました。では自分で作ったスケールと解答を見比べて、必要に応じて修正しましょう。間違えた形跡は残ってもいいと思います。今後ミスを繰り返さないための布石にもなるので。 CYCLE OF THE FIFTH ワークシートにスケールに書き込む中で、CからF、FからB♭と進めると、黒鍵が1つから2つ、2つから3つへと増えていくことに気付いたでしょうか。メジャー、ハーモニックマイナー、メロディックマイナーの各12のスケールはそれぞれ黒鍵の数の順番に並び、Cでゼロ、G♭で6へと増えていき、最後のGではまた1に戻っています。これを図にしたものがあります。 日本語では五度圏とよばれ、英語ではサイクル・オブ・ザ・フィフス(CYCLE OF THE FIFTH)と呼ばれます。どういう法則なのかはまた後程解説します。 次は、これらのスケールを弾く練習方法を紹介します。 【目次へもどる】
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ラシドレミファソ〜暗いメロディ

曲には明るい曲、暗い曲があって、明るい曲を誰でも知っていそうなものからいくつかあげてみると、 ドレミの歌 どんぐりころころ おもちゃのチャチャチャ などがあるのに対して、悲しい感じ、暗い感じの曲は、 ひなまつり 四季の歌(春を愛する人は…) エリーゼのために など。 ハーモニーがあるからには、明るい、暗いのいずれかに分類されます。先のドレミファソラシドを音階(スケール)と呼びましたが、これは明るい方に分類され、ここでは暗い方の音階を紹介します。 マイナースケール 仕組みはいたってシンプルで、ラを始点に1オクターブ上に向かって弾いていけばそれで出来上がりです。また後ほど説明に上がりますが、メジャースケール上で「ラ」とはドを1として数えると6番目のの音になります。つまり、メジャースケールの6番目の音を始まりとするスケールをマイナースケールといいます。 音楽の理論上では、明るい響きを「長(ちょう)」とし、暗い響きは「短(たん)」と呼びます。なので、音階は「長音階」と「短音階(マイナースケール: Minor Scale)」に分類されます。 この短音階には実は3つのパターンがあります。一つ目はここで紹介している短音階で、正確には「ナチュラルマイナースケール(Natural Minor Scale: 自然短音階)」と呼びます。ほかの二つは実際にメロディーを作ったりアドリブで演奏するときにその実用性がわかって来るのですが、大切なのでここでその仕組みを見ておきましょう。 ハーモニックマイナースケール 日本語を勉強すると、文の中に主語があれば述語があることを習うように、音楽にも始まりがあって終わりにたどり着くという法則のようなものがあります。これはすごく無責任な言い方をしてしまえば「西洋音楽の感覚が身についていれば当たり前のこと」で、活字や図でこうだ、と解説しても結局聞いてみないとわからないのが音楽なのです。 音楽を身につけるということは言語を学ぶことに似ていて、子供が次第に言葉を話せるようになっていくように自然に吸収していくことが理想的です。バイリンガルの人は、第二言語で会話するときに母国語で文を作ってそれを脳で翻訳して第二言語で発する、ということはしません。脳が切り替わるのです。個人的な経験ですが、寝ているときに見る夢が第二言語になったら、脳の切り替えがされているのだと思います。夢で四六時中音楽を奏でるほどではありませんが、たくさん聴いてたくさん弾いて、自然に音楽が心の内側から出るようになれたら、それが最も素晴らしいことなのかな、と思います。 「始まりがあって終わりにたどり着く」と記しました。音楽も一つの曲が始まればその曲は終わります。それをより明確に感じさせてくれるのが、この「ハーモニックマイナースケール(Harmonic Minor Scale: 和声的短音階)」です。そして、それは長音階にあって短音階にないものを補う形で変形しています。 結論からいいますと、「ラシドレミファソ」の音の並びの「ソ」を半音上げています。なので「ラシドレミファソ#」となっています。さらにもう一つの解釈を付け加えると、ラから始まって1オクターブ上のラにもう一度戻るところでは半音で戻ることにしているのです。 長音階のドレミファソラシドでは、シからドへは半音で移動します。これを「導音(リーディングトーン: Leading Tone)」といいます。短音階のソからラへは全音です。このソからラへの全音を半音にすることで導音つまり終わりへ導く音を取り入れることで、このメロディーが終わることを告げているのです。 試しにに、ドレミファソラシドを弾いてみてください。そのとき、シだけ長めに伸ばしてドにつなげてみてください。クラシックのソプラノ歌手が美しい声で歌う様子を想像しながらピアノで弾けば、ドレミファソラシドだって立派な音楽の曲になります。現に、映画「サウンド・オブ・ミュージック」では「ドレミの歌」という名曲が生まれましたから。 同じように、短音階で二種類試してみてください。 ラシドレミファソ〜ラ ラシドレミファソ#〜ラ どちらがしっくりきましたか? 後者の方がより自然に感じたのであれば、西洋音楽的な感覚になれているか柔軟に受け入れているのだと思います。 しかし前者の方が自然だと感じたからといって、音感がないというわけではないので心配しないでください。それは言葉を変えれば「西洋音楽が外国語」ということなので、聴いたり、弾いたりすることで経験を積んでいけば慣れていきます。 和音とメロディーを併用するようになったらもっとわかりやすくなります。ひとまずは、導音を用いて終わりを告げる、という仕組みを覚えてください。 メロディックマイナースケール もう一つの短音階は「メロディックマイナースケール(Melodic Minor Scale: 旋律的短音階)」といいます。ハーモニックマイナースケールをより歌いやすくしたもの、というのが身近な解説になります。 ただ、面白いことにこの音階は、上昇と下降で音が変わります。 上昇では図のように第6音、第7音が半音上がるのに対し、加工ではナチュラルマイナースケールと同じ白鍵のみに戻るのです。 メロディックマイナースケールはちょっとわかりづらくて、論理的にこういうものだ、というのがわかっても、じゃあどうやって使うの?というところでは悩んでしまうかもしれません。とりあえず気になったら「メロディックマイナー 実用例」などで検索して、その曲を聴いてみてください。ピンと来なくても心配せず「こういうものもあるんだ」くらいに心の片隅に置いてもらえれば今のところはいいかと思います。 ハーモニックマイナー、メロディックマイナー、それぞれのスケールに共通することは「導音」があることです。これだけはしっかり覚えてください。 【目次へもどる】
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ドレミファソラシドとCDEFGAB

学術的な話ですが、音楽の中には「音」を構成するいくつかの要素があって、その中には高低、強弱、そして長さがあります。 強弱は音量のことで、長さは時間的なもの、つまりリズムに関わるものです。 そして、高低が音の高さ。楽器でいえばバイオリンは高い音を担当し、コントラバスは低い音を主とします。 それらの音の高さは、発音体が一秒間に何回振動するかで分けられ、それをヘルツ(Hz)と呼びます。 現在、世界基準でピアノの鍵盤上、低い方から49番目を440Hzと定めといますが、オーケストラでは多くが442Hz、ピアニストでは好みによって443〜444Hzを指定する人もいます。 この音の高さがヘルツで一つずつ定義はされているものの、演奏家がいちいち数字で音を呼んでいては演奏がスムーズに進みません。便宜上、名前をつけることを「音名」とし、日本では一般的に「ドレミファソラシド」としています。 日本では、ということですが、そもそもこのドレミファソラシドはイタリア出身の呼称で、通称ともいえます。世界的に最もスタンダードなのはラをAとしてABCDEFGA、ドレミファソラシドの順番に並べるならCDEFGABCとなります。音楽の専門用語が日本語に翻訳されたとき、これらのCDEFGABは「ハニホヘトイロ(イ=A)」と名付けられました。 不思議なもので、世界基準はAに割り当てているのに、鍵盤楽器では一番基本となるのはドでありCなのです。この辺はまた別の機会に触れたいと思います。 この講座でも後々音楽・曲の情報を伝達する手段としてアルファベットが主流になります。ドレミファソラシドよりもCDEFGABCに慣れるようにしましょう。 【目次へもどる】
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ドレミファソラシドの仕組みを知ろう

ドレミファソラシド〜♪ 誰もが一度は口ずさんだ、もしくは耳にしたことのあるあのメロディ。ジャズ理論の第一歩は、このドレミファソラシドをカラオケでキーを変えるように自在に弾けるようになることから始まります。 いきなりキーを変えることからスタートするなんて、なんて難しいところから入るんだ、と思われるかもしれません。 しかしそれは、ドレミファソラシドがどうして成り立っているかを知ることで解決できます。 ドレミファソラシド、一つのドから次に高いドまでのひとくくりをオクターブといいます。ドレミファソラシ、までで7つの音、8つ目でドに戻ることでオクターブということになります。英語でOctaveと書き、Octは8を意味します。タコは英語でOctopus、8本足であることをさしています。ちなみに、10月をOctoberと呼ぶことにも理由があるのですが、それはこのブログとは関係ないので省略します。検索してみてください。 ただし、これは白鍵だけの場合。黒鍵も含めると12の音があることがわかります。12の音一つずつ進むことを半音ずつ上がっていく、といいます(A Half Step)。つまり、ピアノの88鍵は低い方から高い方まで半音ずつ上がっていき、12の半音の集まりが1オクターブです。 白鍵だけで1オクターブ進めていくと、途中黒鍵をまたぐところと、白鍵が隣り合わせになっているところがあるのがわかります。 白鍵のドレミファソラシドで見て見ましょう。 ミとファ、そしてシとドの間には黒鍵が無く、白鍵同士が半音であることがわかります。対して、黒鍵をはさむ白鍵同士のつながりを全音(A Whole Step)といいます。つまり、半音が二つで全音になるのです。全音は二つの黒鍵の間に白鍵が挟まっている場合も全音です。 そうすると、ドレミファソラシドのそれぞれの白鍵同士の関係を並べてみると、 ド→全→レ→全→ミ→半→ファ→全→ソ→全→ラ→全→シ→半→ド 全全半全全全半 もという具合に進んでいくことがわかります。 これがドレミファソラシドの法則です。 この法則に沿って、任意の鍵盤から1オクターブ上がっていくと、どこからでも「ドレミファソラシド〜」に聞こえるメロディを作れます。つまり、キーを変えられるのです。 では試しに半音上げてみましょう。 ドの一つ右隣の黒鍵から「全全半全全全半」の順番で音を出してみると、キーが半音上がった「ドレミファソラシド」になるはずです。 さらに拡張して、ほかのいろいろなキーで試してみてください。これでどこからでもできたら「全全半全全全半」を理解できたことになります(詳しくは後の項目で解説します)。 1オクターブには12の音があると前述したので、全部で12回キーを変えられることになります。これらをどう整理してわかりやすくするかを後ほどまとめたいと思います。 最後に、この「全全半全全全半」で作る音の集まりを「メジャースケール」と呼び、日本語では長音階といいます。後ほど、メジャー(長)に対してマイナー(短)という言葉も出てきます。徐々にいろいろな言葉の関係がつながっていきますので、お楽しみに。 【目次へ】
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