曲には明るい曲、暗い曲があって、明るい曲を誰でも知っていそうなものからいくつかあげてみると、

ドレミの歌
どんぐりころころ
おもちゃのチャチャチャ

などがあるのに対して、悲しい感じ、暗い感じの曲は、

ひなまつり
四季の歌(春を愛する人は…)
エリーゼのために

など。

ハーモニーがあるからには、明るい、暗いのいずれかに分類されます。先のドレミファソラシドを音階(スケール)と呼びましたが、これは明るい方に分類され、ここでは暗い方の音階を紹介します。

マイナースケール

仕組みはいたってシンプルで、ラを始点に1オクターブ上に向かって弾いていけばそれで出来上がりです。また後ほど説明に上がりますが、メジャースケール上で「ラ」とはドを1として数えると6番目のの音になります。つまり、メジャースケールの6番目の音を始まりとするスケールをマイナースケールといいます。

音楽の理論上では、明るい響きを「長(ちょう)」とし、暗い響きは「短(たん)」と呼びます。なので、音階は「長音階」と「短音階(マイナースケール: Minor Scale)」に分類されます。

この短音階には実は3つのパターンがあります。一つ目はここで紹介している短音階で、正確には「ナチュラルマイナースケール(Natural Minor Scale: 自然短音階)」と呼びます。ほかの二つは実際にメロディーを作ったりアドリブで演奏するときにその実用性がわかって来るのですが、大切なのでここでその仕組みを見ておきましょう。

ハーモニックマイナースケール

日本語を勉強すると、文の中に主語があれば述語があることを習うように、音楽にも始まりがあって終わりにたどり着くという法則のようなものがあります。これはすごく無責任な言い方をしてしまえば「西洋音楽の感覚が身についていれば当たり前のこと」で、活字や図でこうだ、と解説しても結局聞いてみないとわからないのが音楽なのです。

音楽を身につけるということは言語を学ぶことに似ていて、子供が次第に言葉を話せるようになっていくように自然に吸収していくことが理想的です。バイリンガルの人は、第二言語で会話するときに母国語で文を作ってそれを脳で翻訳して第二言語で発する、ということはしません。脳が切り替わるのです。個人的な経験ですが、寝ているときに見る夢が第二言語になったら、脳の切り替えがされているのだと思います。夢で四六時中音楽を奏でるほどではありませんが、たくさん聴いてたくさん弾いて、自然に音楽が心の内側から出るようになれたら、それが最も素晴らしいことなのかな、と思います。

「始まりがあって終わりにたどり着く」と記しました。音楽も一つの曲が始まればその曲は終わります。それをより明確に感じさせてくれるのが、この「ハーモニックマイナースケール(Harmonic Minor Scale: 和声的短音階)」です。そして、それは長音階にあって短音階にないものを補う形で変形しています。

結論からいいますと、「ラシドレミファソ」の音の並びの「ソ」を半音上げています。なので「ラシドレミファソ#」となっています。さらにもう一つの解釈を付け加えると、ラから始まって1オクターブ上のラにもう一度戻るところでは半音で戻ることにしているのです。

長音階のドレミファソラシドでは、シからドへは半音で移動します。これを「導音(リーディングトーン: Leading Tone)」といいます。短音階のソからラへは全音です。このソからラへの全音を半音にすることで導音つまり終わりへ導く音を取り入れることで、このメロディーが終わることを告げているのです。

試しにに、ドレミファソラシドを弾いてみてください。そのとき、シだけ長めに伸ばしてドにつなげてみてください。クラシックのソプラノ歌手が美しい声で歌う様子を想像しながらピアノで弾けば、ドレミファソラシドだって立派な音楽の曲になります。現に、映画「サウンド・オブ・ミュージック」では「ドレミの歌」という名曲が生まれましたから。

同じように、短音階で二種類試してみてください。
ラシドレミファソ〜ラ
ラシドレミファソ#〜ラ
どちらがしっくりきましたか?
後者の方がより自然に感じたのであれば、西洋音楽的な感覚になれているか柔軟に受け入れているのだと思います。
しかし前者の方が自然だと感じたからといって、音感がないというわけではないので心配しないでください。それは言葉を変えれば「西洋音楽が外国語」ということなので、聴いたり、弾いたりすることで経験を積んでいけば慣れていきます。

和音とメロディーを併用するようになったらもっとわかりやすくなります。ひとまずは、導音を用いて終わりを告げる、という仕組みを覚えてください。

メロディックマイナースケール

もう一つの短音階は「メロディックマイナースケール(Melodic Minor Scale: 旋律的短音階)」といいます。ハーモニックマイナースケールをより歌いやすくしたもの、というのが身近な解説になります。

ただ、面白いことにこの音階は、上昇と下降で音が変わります。

上昇では図のように第6音、第7音が半音上がるのに対し、加工ではナチュラルマイナースケールと同じ白鍵のみに戻るのです。

メロディックマイナースケールはちょっとわかりづらくて、論理的にこういうものだ、というのがわかっても、じゃあどうやって使うの?というところでは悩んでしまうかもしれません。とりあえず気になったら「メロディックマイナー 実用例」などで検索して、その曲を聴いてみてください。ピンと来なくても心配せず「こういうものもあるんだ」くらいに心の片隅に置いてもらえれば今のところはいいかと思います。

ハーモニックマイナー、メロディックマイナー、それぞれのスケールに共通することは「導音」があることです。これだけはしっかり覚えてください。

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